【報告】中部地区路面電車サミット
「路面電車を残す意味/なくす意味」
7月17日(土)の中部地区路面電車サミットでは、120人ほどのお客様をお迎えすることができました。万障を繰り合わせて中部各地からご参加いただいた皆さん、また市民の皆さん、本当にありがとうございました。
お昼の千手堂タイムでは60名ほどが100円分のクーポンを使って食事などをしてもらい、めいめいの路面電車感を、お店お店で披露していただけたことと思います。
当初、「存廃問題に決着がつかなければ開催は見送ろう」と、あえて存続を前提とした準備をしてきましたが、答えが延び延びになるなかで、方々の皆さんからもご参加の意思を示していただいていることから開催をさせていただきました。
そのサミットのなかで行われた討論の結果をまとめましたのでご報告いたします。
(1)存続反対派意見
- バス代替できるのではない
- 84億円の税金投入は大きすぎる
- 電車は(安全島がつくれないという)危ないという状態を改善できない社会風土
- 存続が決まってすぐに、安全島などが整備できるのか?
- 警笛がうるさい、こわい
- ブレーキ音がうるさい
- 鉄粉が飛ぶ
- ふだん利用しない、行き先がない
- 商店街に新たな費用負担があるのではという誤解がある、財界が反対
(2)存続賛成派意見
- バスでは時間がかかる【反対1の回答】
- →バスの増便で道の渋滞がひどくなる
- →学生の遅刻、高齢者の外出を妨げることになりかねない
- 電車だと(路線も明確で)子供を安心して乗せられる。
- 自動車だけでは都市交通は支えられない→公共交通は必要!(竹内先生)
- →『自動車だけでいい』という人を説得できなくてはいけない
- 信頼される公共交通には専用レーンが必須で、路面電車は最適(竹内先生)
- 10年間で84億円、では市民は分からない(竹内先生)
- →1年で8.4億円
- (岐阜市民一人当り2千円の負担と伝えるだけで市民にとって意味が変る)
- →これからも必要、バスに転換してもこのくらいの額は必要のはず
- →名古屋や札幌は年間20億円投入している
- →公共政策としてやるべき、残すべき【反対2の回答】
- 道路、公共施設には何十億というお金を投入している→誰も反対しない。(岡さん)
- 鉄道は民間企業だから利益が必須というイメージつきすぎ(岡さん)
- →実際は鉄道事業以外の部分(不動産・サービス等)で利益を得ている
- →税金投入に対する誤解、今一度公共交通のあり方を。【反対2の回答】
- 費用便益分析をすれば都市にとっての価値が分かる
- LRT(路面電車)とバスとの決定的な違い→輸送量の違い【反対1の回答】
- ヨーロッパの連接トラム 1編成あたり200人程度
- MOMO(岡山市)1編成あたり150人程度
- 路線バス 1台あたり 50人程度
- 自家用車 1台あたり1〜4人程度
- →都市においては大量輸送機関が必要→これが都市の機能である
(3)会場から
ROBAの会・内田さん
- 岐阜市のバス転換後のイメージが明らかではない
- 排ガスの増加や道路渋滞が極まる
竹内先生(内田さんへの回答)
- 「存続」を訴えるあまり路面電車とバスを敵対させてはいけない。
ROBAの会・内田さん
- 社会的費用も考慮すべきでは?バスのみでは費用がかかる
- →福井のえちぜん鉄道では行政が計算し、存続につながった
竹内先生
- 電車がなくなるとバス転換が言われるが、多くはバスに移行しない。
- →例:岐阜の名鉄廃止路線(八百津線、揖斐線など)で廃止直前の4割〜1割に低落
- →マイカーへの転換が生じ、公共交通全体では減る一方で、もとへは戻らない。
吉田先生
- 存続判断者である市長がその判断にぶれている
- →反対派市議は路面電車沿線を地盤としていないようだ
- 道路には税金をつぎ込む→線路に税金投入してもおかしいことはない【反対2の回答】
- 路面電車の利用者を増やす方策は様々に考えられる
- →交通ビジネス研究会・阿部氏が提示した13のプランもそう。
- 岐阜はこれから人口減少で「30万都市」へ
- →そのままでは産業が興せない。個性が求められる。
- →名古屋の機能集積、国際都市化(中部空港や万博など)によって年間200万の外国人が…
- →「日本のイメージ」としての岐阜を観光産業にできる可能性…田園都市風景と路面電車
- 岐阜はこれから『高齢化社会』
- →年金受給世代は、車や家電ではなく、心地よい時間を過ごせることを重視。
- →高齢者等における今ブームなもの
- 国内旅行指向、ウォーキング指向の高まり
【反対8の回答】
(4)まとめ:残す意味、なくす意味
竹内先生
- 反対派はバス代替派→バスでもお金はかかる
- 沿線商店街→もっとも説得しなくてはいけない人
- →車で行きにくいから衰退したと思っている?
- →存続への道は沿線商店街の理解
- 郊外型のショッピングセンターには大規模駐車場
- →×:しかし駐車場ではその収容能力からお客の数が限られている
- →○:公共交通ならいくらでもお客は集められる
- →駅前回帰、都心回帰に則った商業施設開発はこの点で有利
岡氏
- 岡山において、路面電車支援活動のスタートは中心市街地の活性化
- 商議所やJCをまきこむべき
吉田先生
- 全てが自動車では都市交通が成り立たない
- 駅周辺にマンション建設ラッシュ
- →名古屋へたった18分…岐阜に人を引込むには駅前が勝負。
- →路面電車システムは格好の呼び水!
竹内先生
- クリチバ市では高密な住宅街を結ぶ路面電車型のバスを採用。
- 岐阜で同程度のサービス水準のバス代替をするならバス専用道が不可欠。
- →やはり路面電車、ということに
- →結局、すごい回り道になってしまう。
(5)市民の声などについて
森さん
- 私たち郊外の住民にとっては、柳ヶ瀬がどう、という話題ばかりされてもピンと来ない。
- 路面電車が無くなってしまったら、街に出られないことを分かって欲しい。
- 声をあげようにも、聞いてもらえる機会なんてほとんどない。
- このままでは何も言葉にできないまま、終わってしまうから勇気を出して手を挙げた。
太田さん
- 有識者という立場で壇上から呼びかけたり発言したりするばかりでなく、一市民の声を集めなければ、運動として広がらないし、本当に困る人たちの思いや気持ちが集まって来ない。
ホリ
- 柳ヶ瀬のことばかりを言っているのではなく、みんなの心のよりどころになる岐阜の街に、電車が無くなれば出掛けられなくなることを、危惧しての発 言だと理解してください。(森さんに対して)
とよはし市電を愛する会・大辻さん
- 声をあげてくださる人たちに、もっともっと「協力してください」と言って、もっと市民の声を集めて大衆運動として行くべき。
ホリ
- どうか、声をもっともっと集めて市長に届けたいとおもいますので、ご協力をお願いします。
最後の(5)に関して、翌々日に太田さんには「市内の全世帯に、意見チラシを配ってみんなの声を集めようと努力したが叶わなかった」と伝えました。市の姿勢や時点時点の情報が得られないまま私たちができることが限られているなか、カンパしあってつくった20万部の「路面電車のホント」と題したチラシは、半分もの10万部を配付できずじまいにせざるを得なかった状況があります。
じつに、市内在住者の太田さんは、その件をご存じなかったようで、岐阜市全戸への配付を想定した取り組みの半分が未実行となったことは、改めて悔やまれました。